バルコニー笠木・防水雨仕舞対策

バルコニー修繕

バルコニー部分は、笠木部の出幅が外壁よりも外側にくるため、下から吹き上がる雨による浸水リスクが高い部分です。

さらに、日射を壁面全体で受けることにより、通気層の空気は高温になって上昇するため、壁体内や躯体に結露が生じるリスクが高まります。

そのため、バルコニー手すり壁は、外壁通気層を確保するとともに確実な二次防水処理を施し、雨水や熱気を効率よく排出することで、躯体の劣化を防がなければなりません。


1.外壁通気層の確保 2.確実な二次防水処理


1. 外壁通気層の確保

外壁通気層の役割は、室内や壁体内の湿気を外部へ排出することと、一次防水層から浸入した雨水を外部に排出することです。これらを機能させるには、通気層に入口と出口を設けることが重要です。

日本窯業外装材協会『窯業系サイディングと標準施工 第4版』でも、「天板などで通気層をふさがないように注意する」と記載されています。


しかし、現場では雨水の浸入防止を優先しすぎるあまり、バルコニー 手すり壁の笠木上部の通気層を塞いでしまっているケースが多く見受けられます。このようなケースでは、たとえバルコニー下端に通気層の入口を設けていたとしても、通気層の出口となる笠木上部を塞いでしまい、通気経路を確保できず、外壁通気層として機能しません。


さらに、現場では笠木上部の天端に窯業系サイディングを裏張りするケースが多く見受けられますが、実のところ窯業系サイディングは裏面に防水加工が施されておらず、吸水による反りの恐れがあります。

また、通気層下部も意匠性を優先し、バルコニー 下端を外装材で直角に貼り塞いでしまうと、通気層の入口が確保できないことに加え、上から壁体を伝う雨水を切ることができず、軒天材の表面に回り込んで雨染みとなり、軒天材の早期劣化を招くため、各部の納まりには様々な注意が必要です。




笠木上部の推奨納まり


まず原則、通気層上部の閉塞、サイディングの裏張りは行いません。

笠木の上部は、透湿防水シートを手すり壁の両面に上端に達するまで張り付け、手すり壁の上面の下地全面には両面粘着防水テープを張り、その上に鞍掛けシートを両面粘着防水テープの剥離紙を剥がしながら張り垂らすというのが推奨の納め方であるとあります。

加えて、手すり壁上部の通気と雨仕舞を両立するため、防雨型換気部材を通気層上部に取り付けることが推奨されています。


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通気層下端の推薦納まり


通気構法の場合、バルコニーの下端、いわゆる壁直下の壁面下端には、オーバーハング水切りを取り付けて通気層を大気中に開放することで、空気の流れと通気層内の水分排出を両立するとあります。

また、オーバーハング水切りの両端部はシーリング材充填などで止水をしましょう。



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2. 確実な二次防水処理

もし、笠木天端を透湿防水シートのみで納めている場合は要注意。

透湿防水シートは完全な防水体ではなく、撥水作用を生かして防水するものがほとんどであり、水平面では防水効果が期待できません。



もう一つ気を付けたいのが、三面交点が生じるバルコニーの外壁と手すり壁の取り合い部や、コーナー部の雨仕舞です。防水テープのみの処理では浸水の原因となるピンホールができやすくなります。

また、防水テープによる雨仕舞は、施工者の技術によって施工品質に偏りが出ることが課題です。


手すり壁と外壁取り合い部推奨納まり

外壁と手すり壁が取り合う箇所は防水を切り開いて納めるため、角部にピンホールが生じ、浸水する危険性が高くなります。

角部に生じるピンホール処理は一般的な防水テープでは処理できないので、伸張性防水テープや角部防水部材を用いて施工しましょう。

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